カマチグループ 東京品川病院

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整形外科

疾患・治療について

骨折

症状

骨の周囲には神経や血管が豊富の為、骨折した部位の痛みと膨張が出現します。
骨折がひどい場所は動かせなくなったり、外見が変形したりします。
しかし単なる打撲や関節脱臼でも似た症状が出るので、レントゲン撮影を行います。

原因

骨が壊れることを骨折といい、ヒビが入ったり骨の一部分が欠けたり凹んだ場合も骨折です。
骨折は骨に力が加わることで起こります。骨全体が弱っていたり、骨の一部が溶けていたりすると弱い力で骨折します。
また健康な骨であっても、同じ場所に繰り返し長期間負荷がかかり続けると骨折することがあります。(疲労骨折)
【骨折の種類】
  • 開放骨折:骨折と同時に皮膚が破れて、骨折部が露出したものをいう。この場合は、治療を急ぐ必要があります。
  • 粉砕骨折:骨折部が複雑に粉砕したもの。
  • 不完全骨折:転位の無いヒビだけの骨折をいう。

治療

骨の中には生きた細胞があり、骨折しても治る力があります。骨折部のズレが小さいかつ動きが少なく、元気な細胞が多ければ骨折部位はつきやすいものです。
そのため手術をしない場合もあり、ギプスで治す場合には骨折部がグラつかないように作ります。
手術をする場合は皮膚を切開し、金属製の板や棒を使用して骨を止めてズレと動きを防ぎます。

肩腱板断裂

症状

40歳以上の右肩に好発し、60代が発症のピークです。肩の運動障害・運動痛・夜間痛を訴えます。運動痛はあっても、多くの患者さんは肩の拳上は可能です。
拘縮や関節の動きが固くなることが少なく、拳上するときに力が入らなかったり、肩の前上面で軋轢音がするという訴えもあります。

原因

腱板断裂の背景には、腱板が骨と骨に挟まれているという解剖学的関係と、腱板の老化があるため、中年以降の病気といえます。
明らかな外傷によるものは半数で、残りははっきりとした原因がなく日常生活の中で断裂が起きます。男性の右肩に多く発生することから、肩の使いすぎが原因であると推測されます。
断裂型には完全断裂と不全断裂があり、若い年齢ではスポーツ等による投球障害で不全断裂が起こることがあります。

治療

保存療法

急性外傷が原因の場合は、三角巾で1~2週間ほど安静にすることで、70%軽快します。ただし、断裂部が治癒することはありません。
保存療法では、注射療法と運動療法が行われます。
注射療法では肩関節周囲炎を併発して夜間痛があると、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤を肩峰下滑液内に注射しますが、夜間痛がなければヒアルロン酸の注射に変えます。
腱板のすべてが断裂することは少なく、残存する腱板機能を賦活させる腱板機能訓練が有効です。

手術療法

手術には、関節鏡視下手術と通常手術(直視下手術)があります。関節鏡視下手術の方が低侵襲で術後の痛みも少なく普及していますが、断裂が大きいと縫合が難しいため直視下手術を行います。どちらも術後は約2~4週間の固定と2~3か月の訓練が必要です。当院では関節鏡下手術を施行しております。

変形性股関節症

症状

主な症状は、関節の痛みと機能障害です。股関節は鼠径部(脚の付け根)にあり、最初は立ち上がりや歩き初めに足の付け根に痛みを感じます。
進行するとその痛みが強くなり、持続痛や夜間痛に悩まされることになります。
日常生活においては、足の爪切りや、靴下を履くこと、和式トイレ使用や正座が困難になります。
また長時間立ったり歩いたりすることがつらくなりますので、台所仕事などの主婦労働に支障を来します。階段や車・バスの乗降も手すりが必要になります。

原因

患者の多くは女性で、股関節の形成不全や発育障害が主なものと言われています。高齢化社会に伴い、明らかな病気に罹ったことがなくても年齢とともに股関節症を発症してくることがあります。

治療

症状が軽い場合は、痛み止めの内服薬や水中の運動療法を行うのが理想的です。症状が取れない場合は手術療法として、人工股関節手術の適応となります。

変形性膝関節症

症状

主な症状は、膝の痛みと水がたまることで高齢者になるほど罹患率が高くなります。
初期症状は、立ち上がりや歩き初めなどの動作開始時に痛み、休めば痛みが取れます。進行すると正座や階段の章句が困難となり、末期になると安静時にも痛みが取れず、膝の変形が目立ち、膝が伸びず歩行困難となります。

原因

関節軟骨の老化によることが多く、肥満や遺伝も関与しています。また、骨折や靭帯・半月板損傷等の外傷や化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することもあります。
加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、遣い過ぎによるすり減りで関節が変形します。

治療

症状が軽い場合は、痛み止めの内服薬や外用薬を使ったり、膝関節内にヒアルロン酸の注射などをします。また大腿四頭筋強化訓練、関節可動域訓練などの運動器リハビリテーションを行ったり、膝を温めたりする物理療法を行います。足底板や膝装具を作成することもあります。
このような治療でも改善されない場合は、手術の検討をします。手術は関節鏡(内視鏡)手術、高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正する)、人工膝関節置換術などがあります。

人工関節置換術について

人工関節置換術について-膝関節

膝関節の働きとは

膝関節は、日常生活の歩行時や立ったり座ったりする時など体を支えて、しかもよく動かなければならない関節です。
膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨から構成され、安定するために4つの靭帯や半月板もあります。また、骨の表面には痛みなく滑らかな動きをするために軟骨があります。 膝関節には歩行や階段昇降などで体重の3〜5倍の負荷がかかるので、加齢的変化で軟骨がすり減ってきます。また、スポーツなどでも損傷することが多いです。

人工膝関節置換術とは

膝関節が老化や怪我などにより軟骨がすり減ってきて、O脚やX脚などの変形も生じ、歩行や、立ったり座ったりするときなどに痛みが強く日常生活が困難になり、内服・注射・リハビリなどの治療でも改善しないときに行います。
すり減った軟骨や変形した骨は治らないので、傷んでいる軟骨、骨を削って、人工関節(金属とプラスチック)に換える手術です。
全部を換えるものと部分的に換えるものがあります。
耐久年数はおよそ20年以上と言われています。

適応する疾患・症状

  • 軟骨がすり減っていく変形性膝関節症の末期で、痛みが強く、薬や注射、リハビリでも改善しないとき。
  • 関節リウマチで膝関節が変形してしまい、痛みが強く、他の治療では改善しないとき。
  • 人工関節置換術は基本的には高齢者の方が適応です。若年者では関節鏡手術や骨切り術などを行います。

人工関節置換術について-股関節

股関節の働きとは

股関節は胴体と脚をつなぐ役割を持った身体の中で最も大きな関節で、右図のように骨盤に大腿骨がはまり込むような形になっています。
関節部分の骨の表面はクッションの役割を持った軟骨で覆われており、この軟骨の働きにより股関節にかかる体重が吸収され、滑らかに動くようになっています。
股関節は膝関節と同様に体を支えながら動いており、立ったり、歩いたり、かがんだりと日常生活の動作を行う上で要ともいえる関節です。歩く時には体重の約3倍、階段や立ち上がりの時には体重の10倍程の負荷がかかるといわれています。加齢などにより軟骨がすり減り、骨が変形してくることで痛みを生じたりします。

人工股関節置換術とは

軟骨がすり減り、関節が変形してくることで、痛みが出やすくなります。痛みで日常生活も困難になり、運動療法や薬物治療でも改善しない場合に手術を行います。 右図のように人工股関節は金属とプラスチックで出来ています。 傷んだ骨や軟骨を取り除き人工関節に置き換えることで、痛みが改善され、股関節の動きもスムーズになり、日常生活の動作も楽に行えるようになることが期待できます。

適応する疾患・症状

軟骨がすり減り、大腿骨と臼蓋(骨盤)の骨同士が直接こすれて変形してくることで、関節の動きが悪くなったり、強い痛みを伴うようになります。 一般的な適応疾患には、
  • 変形性股関節症
  • 関節リウマチ
  • 大腿骨頭壊死症
などがあります。ただし、当院ではまず保存的治療を選択し、改善が得られない場合は手術にて人工関節置換術を行っています。また、両側同程度に痛んでいる場合は両側同時手術も行っております。
両側同時手術は片側に比べ侵襲(体へのダメージ)は大きいですが、翌日から歩行訓練が可能なので2回手術を行うよりも入院日数は短縮できます。