関節鏡・スポーツ関節温存センターについて
当院では日本スポーツ協会公認スポーツドクターが在籍しており、スポーツ活動の支援の他、活動性の高い方々やスポーツ選手に対する、肩、膝、足関節の外傷・障害に対する治療に積極的に取り組んでいます。保存療法、手術療法、リハビリテーション、高気圧酸素治療(HBO)等を駆使して、患者さんの社会復帰及び競技レベル復帰に貢献します。
必要に応じて近隣の病院とも連携し、患者さん毎に最適な治療が行えるよう最大限努力しています。
スポーツ愛好家の方やプロレベルの方まで中山医師にお気軽にご相談ください。
変形性膝関節症に対する関節温存手術
高齢化、また健康寿命延伸を目指したスポーツ人口の増加により、膝関節に痛みを感じている人は増加の一途をたどっています。変形性膝関節症の患者さんは、日本に2500万人以上もいると推測され、非常に多くの方が苦しんでいます。痛みの原因には軟骨のすり減りや、半月板損傷、滑膜炎等が挙げられます。
症状が軽い場合は、リハビリによる筋力訓練・投薬・注射(ヒアルロン酸)で改善しますが、強い症状により日常生活や仕事、スポーツ等に支障を来す場合は手術が有効なこともあります。
当院では、関節鏡手術と膝周囲骨切り術を組み合わせた治療を積極的に行うことで、関節温存を追求しております。
骨切り術は短期的には人工関節より長いリハビリが必要ですが、骨癒合後は自身の膝としてスポーツ活動の維持や社会復帰を目指せます。正座が可能となる場合もあります。患者さんひとりひとりの骨の形態や変形の程度に応じて各種骨切りを選択していきます(図1〜4)。また、関節鏡を用いた半月板縫合や靭帯再建等と組み合わせた治療を行なっています。
骨切り術の適応とならない高度変形の患者さんには人工膝関節置換術(図5)を行う事もあります。傷の小さい手術で筋肉(大腿四頭筋)への侵襲を小さくし、早期より歩行可能となることを目指しています。また、症状によっては、手術侵襲の少ない人工関節(単顆置換術)を行うなど、ひとりひとりの症状に応じた手術を選択しています。
図1:Hybrid closed wedge HTO(左膝) ※腓骨も切る必要があります。
図2:Opening wedge DTO(左膝)
図3:Medial closed DFO(左:手術前/右:手術後)
図4:Double Level Osteotomy(DLO) 両側例
図5:人工膝関節全置換術(左膝)
関節鏡視下手術
関節鏡視下手術は手術侵襲が低減し、早期に機能回復が得られます。反復性肩関節脱臼や腱板損傷、股関節唇損傷、膝関節靭帯損傷や半月板損傷、足関節靭帯損傷、各変形性関節症に対して積極的に関節鏡視下手術を取り入れることで低侵襲治療が可能です。
関節鏡手術対応疾患例
- 肩腱板損傷
- 反復性肩関節脱臼
- 膝靭帯損傷
- 半月板損傷
アスリートやスポーツ愛好家に多い、膝の靭帯・半月板損傷に対しては、侵襲の少ない関節鏡手術を積極的に行っています。スポーツ生命を脅かす前十字靭帯損傷に対しては、ハムストリングスを用いた解剖学的二重束靭帯再建術(図6)を中心に行っており、遺残靭帯が使える場合には遺残靭帯も利用します。半月板損傷に対しては、積極的温存を目的とした半月板縫合術(図7・図8)を行っています。
図6
図7:a.複合断裂した内側半月板
図7:b.フィブリンクロットを用いた半月板縫合後
c.縫合後6か月での再鏡視所見にて完全治癒を確認
図8:内側半月板後根付着部損傷(MMPRT)に対する縫合術
- 反復性膝蓋骨脱臼
- 足関節靭帯損傷
- 三角骨障害
- アキレス腱断裂
- 肉離れ
- その他 等々
繰り返す捻挫でお困りの方、スポーツや日常生活における足首の不安定感のある方に対する関節鏡を用いた低侵襲手術も可能です。
お気軽にご相談ください。