カマチグループ 東京品川病院

アクセス アクセス

がん診療

がん診療の質の向上のために

がんカンファレンス

がんカンファレンス(キャンサーボード、Cancer Board)とは、がん患者さんの状態に応じ、適切な治療を提供するために病院内で開催される検討会のことです。がんの治療には手術、化学療法や放射線治療などがあります。また同じ「がん」といっても発生する臓器が異なれば性質や治療法は全く異なります。さらに、がんの性質や進行具合により最善の治療法は全く異なります。がんカンファレンスでは手術、化学療法、放射線治療にかかわる専門的な知識や技術を持っている医師や、画像診断を担当する医師、最終診断である病理診断を担当する医師、緩和ケアに携わる医師、看護師、薬剤師などがん医療に携わるさまざまな専門職が職種を越えて集まり、がん患者の症状、状態、診断や治療法の組み合わせなどを意見交換・共有・検討・確認をし、その患者さんにとって最善の治療法を導き出しています。治療方針の決定に大勢の医療専門職が関わることで、多様な複数のチェックが可能となり、患者さんはより質の高いがん診療を受けることができると考えております。
当院では、臓器別もしくは全体で、定期的ながんカンファレンスや患者さんの状況に応じて必要な時に臨時カンファレンスを行っております。

院内がん登録

「がん登録」とは、がんの診断、治療、経過などに関する情報を集め、保管、整理、解析する仕組みのことです。集める統計情報は主に、毎年どのくらいの人ががんで亡くなっているか(死亡数)、毎年どのくらいの数のがんが新たに診断されているか(罹患数)、がんと診断された人がその後どのくらいの割合で生存しているか(生存率)などです。
当院では2018年4月より診療情報管理室が中心となって院内のがん登録を開始しました。当院を受診された全ての患者さんの初発のがんに関する情報を収集し、がん患者の受診状況や診療実態の把握を行っております。国立がん研究センターで研修を受けた職員が「標準登録様式」に基づいた登録および、個人情報保護に細心の注意を払いデータ管理にあたっています。収集された院内がん登録のデータは国立がん研究センターが実施する全国集計に毎年提出しています。
院内がん登録は病院におけるがん診療の向上と患者、患者家族一般への支援、情報提供ならびに国のがん対策立案のための情報提供を目的としております。

東京都医療連携手帳

手術、化学療法や放射線治療などのがん治療は主に病院で行われます。そうした事情から、以前は、一度がんになると、かかりつけ医のもとを離れてしまい、がんの治療やフォローアップ終了後も、がん治療を行なった病院が外来診療を継続することがほとんどでした。しかし、医療の進歩によりがんが治る時代になってきますと、フォローアップを終えた時に、これまでかかりつけ医で行われていた高血圧や糖尿病などの基礎疾患の治療に切れ目が生じてしまいました。この問題を解決するために、現在は、がんの治療後早期から、病院とかかりつけ医で情報を共有し協力して診療を行う仕組みが考えられました。この仕組みが、がん地域連携クリティカルパス(クリティカルパスとは治療の予定表のことで、治療の内容や時期が示されている)で、その運用のために当院では東京都医療連携手帳を用いています。
手帳の中には、手術時のがんの状態や手術に関する情報、基礎疾患やアレルギーに関する情報、治療計画予定表、受診ごとの記録欄のほかに、術後生活の注意点や後遺症に対する対処法などが書かれています。適応となる患者さんには、この手帳を持って、定期的に当院とかかりつけ医療機関に通院していただきます。
当院では、2023年から導入を進めており、ご協力いただいている近隣のかかりつけ医療機関と連携をしております。
「東京都医療連携手帳」東京都保健医療局