疾患・治療について
脳梗塞
脳梗塞にいろいろなタイプの病態がありますが、いずれの病態も突然起こります。軽度の呂律障害のみの場合もありますが、重度の片麻痺、言語障害、意識障害が出現する場合があります。発症すると、後遺症を残してしまう恐ろしい病気です。
しかし、発症から間もない時期に詰まった血管の流れをよくすることで、症状が改善する場合があります。
脳血栓症(動脈硬化による脳動脈の閉塞)
- アテローム血栓性脳梗塞
- ラクナ梗塞
脳塞栓症(主に心臓内に生じた血管が飛散して脳動脈を閉塞)
- 心原生脳塞栓症
血栓溶解療法 (rt-PA静注療法)
血栓溶解薬(t-PA)を静注して、血栓を溶かし血管を再開通させる。
血栓回収療法
脳血管内治療
脳血管外科の対象疾患は脳動脈瘤、頭頚部動脈狭窄、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻です。ほとんどの脳動脈瘤は血管内治療が可能です。脳血管内治療の専門医が協議し、病態や患者さんの希望を踏まえた上で、経過観察も含めた最適な治療を選択しています。
当院は「脳血管内治療」のエキスパートです
従来の開頭手術(直達手術)に比べ、以下のメリットがある脳血管内治療を積極的に行っています。
- 頭を切らないため傷跡が目立たない
- 痛みが少なく、お体への負担が軽い
- 入院期間が短く、早期社会復帰が可能
最新の設備と万全の体制を整え、患者様に最適な治療法をご提供します。
脳血管内治療の実績
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | |
|---|---|---|---|---|
| 腫瘍 | ||||
| 脳腫瘍摘出 | 9 | 12 | 7 | 14 |
| 生検 | 0 | 3 | 3 | 0 |
| 下垂体 | 0 | 1 | 1 | 0 |
| 頭蓋骨腫瘍 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 脳血管障害 | ||||
| 破裂脳動脈瘤クリップ | 4 | 7 | 1 | 1 |
| 未破裂脳動脈瘤クリップ | 5 | 3 | 6 | 2 |
| 脳動脈奇形 | 1 | 4 | 0 | 0 |
| 頚動脈血栓内膜摘除CEA | 15 | 11 | 3 | 4 |
| 脳血管バイパス | 19 | 10 | 0 | 0 |
| 頭蓋内血腫除去 脳内 | 16 | 18 | 20 | 11 |
| 頭蓋内血腫除去 定位的 | 0 | 0 | 0 | 1 |
| 頭蓋内血腫除去 内視鏡 | 1 | 1 | 10 | 16 |
| 外傷・その他 | ||||
| 頭蓋内血腫除去 硬膜外 | 3 | 4 | 2 | 0 |
| 頭蓋内血腫除去 硬膜下 | 2 | 6 | 3 | 4 |
| 慢性硬膜下血腫 | 54 | 48 | 56 | 45 |
| 微小血管減圧 | 1 | 0 | 1 | 2 |
| DBS/ SCS/ITB | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 水頭症手術 シャント | 13 | 8 | 12 | 9 |
| 水頭症手術 内視鏡ETV | 1 | 2 | 1 | 3 |
| 髄液閉鎖・EBP | 0 | 0 | 0 | 0 |
| その他手術 | 17 | 35 | 28 | 25 |
| 脊椎脊髄手術 | 222 | 215 | 205 | 187 |
| 観血的手術(脊髄除く) | 91 | 103 | 154 | 137 |
| 観血的手術(脳外+脊髄) | 313 | 318 | 359 | 324 |
| 血管内手術 | ||||
| 動脈瘤塞栓 ①破裂 | 8 | 7 | 10 | 9 |
| ②未破裂 | 13 | 4 | 11 | 12 |
| AVM/AVF | 0 | 2 | 4 | 1 |
| その他塞栓 | 0 | 2 | 8 | 1 |
| 血栓回収 | 16 | 25 | 47 | 64 |
| 血管形成 | 4 | 3 | 3 | 6 |
| CAS・その他ステント | 26 | 39 | 38 | 36 |
| 血管内手術 小計 | 67 | 82 | 121 | 129 |
| 観血的手術+血管内手術 | 380 | 400 | 280 | 453 |
| 脳卒中総数 | 265 | 328 | 364 | 333 |
| 脳梗塞 tPA | 4 | 13 | 19 | 10 |
| 非tPA | 176 | 213 | 240 | 243 |
| 脳出血 | 73 | 78 | 92 | 74 |
| くも膜下出血 | 12 | 24 | 13 | 16 |
頚動脈狭窄
頚動脈狭窄は動脈硬化による脳梗塞の最も多い原因です。MRIプラークイメージ撮影、造影CTA、エコー検査により、脳梗塞の原因となりやすいプラークが判別可能で、予防のための治療法を決定しています。頚動脈狭窄では心臓疾患、末梢血管疾患を併せ持つことが多く、合わせて検査を行います。
治療方法
頚動脈ステント留置術(血管内治療)
内頚動脈内膜剥離術(開頭手術)
患者様それぞれの病態に合わせた最善の治療法を選択します。また、頚動脈狭窄が見つかった方は、そのほかの動脈狭窄が併存している場合があります。治療法の選択と同時に、そのほかの狭窄についても調べていきます。
脳動脈瘤
脳動脈瘤は、脳血管に“こぶ”ができ、その血管壁は弱く、破裂によりくも膜下出血を起こします。薬による治療で小さくなることはありません。そのため、5㎜以上の脳動脈瘤では破裂予防の治療を検討します。治療法には血管内治療と開頭手術があります。
血管内治療は手首または大腿部の動脈からカテーテルを脳動脈に誘導しプラチナ製の“コイル”を瘤内に留置し瘤の血流を遮断し破裂を回避します。標準的な瘤では治療時間2時間、入院5日間です。かつてコイル塞栓術は再発が多いと言われていましたが、ステントの改良により再発は減少しています。しかし、ステントを使用した場合、少なくとも1年の抗血小板剤(血液さらさらの薬)の内服を継続する必要があります。
一方、血管内治療が困難で開頭によるクリップ手術が容易で安全な場合も多くあり、瘤の部位や形状から血管内治療が向かない場合は顕微鏡下手術により瘤をクリップで止めます。
コイル塞栓術(血管内治療)
柔らかいプラチナ製コイルで脳動脈瘤を内部から埋めて破裂を防ぐ。
フローダイバーターステント留置術(血管内治療)
メッシュ型ステントによる整流作用により脳動脈瘤内を血栓化させ縮小させる。
WEBシステムを用いた脳動脈瘤塞栓術(血管内治療)
メッシュ状の金属(カゴ)を動脈瘤の中に入れる新しい治療
クリッピング(開頭手術)
開頭、高感度カメラ・顕微鏡操作で動脈瘤をチタン製クリップで止める。
当院では血管内治療と開頭手術で最適な治療法を選択して治療を行っています。最近では、より低侵襲である血管内治療を選択することが多く、脳動脈瘤の開頭手術をすすめられた方でも血管内治療で治療可能な場合が多くありますので、気軽にご相談ください。
