カマチグループ 東京品川病院

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脳神経外科

頭痛外来

頭痛外来の目的とは、頭痛のために仕事・家事・勉強の能率が落ちる、頭痛のために会社や学校を欠勤・欠席、遅刻・早退する、家事が出来ずに寝込むなどの状態を改善して、頭痛を持つ方のQOL(生活の質)を向上させることです。

頭痛でお悩みの方・お困りの方は、是非受診してください!

  • 頭痛の原因が分からず不安を感じている方
  • 頭痛薬があまり効かない方
  • 頭痛薬を月に10回以上飲まれている方
  • 月経時に強い頭痛がある方
  • 頭痛で仕事や家事に支障を感じる方  など

頭痛外来での診察の流れ(土曜日完全予約制)

まず脳や首に頭痛の原因が無いか、MRIやCTで調べます。

頭痛の原因が見つかったら、当院の該当する診療科(脳神経外科、婦人科、脊椎・脊髄外科、耳鼻咽喉科、眼科等)、またはご希望の病院へ直ちにご紹介致します。

MRIやCTで異常が見つからなかったら?

一般的には、医師から「脳や首には異常ありません。鎮痛薬を処方します」と言って診察終了となります。
頭痛外来はここからが違います。
頭痛は実は様々な原因によって起こります。
頭痛外来では、どの原因による頭痛かを明解に診断いたします。
  • 片頭痛
  • 緊張型頭痛
  • 頭の神経痛(後頭神経痛、三叉神経痛)
  • 群発頭痛
  • 混合型頭痛(最初の4つの頭痛をどれか一つではなく、幾つも合わせ持っている)
そして各々の頭痛の治療が始まります。

頭痛の種類・それぞれの治療について

片頭痛

かなり強い頭痛が月に1~2回おきます(1回の頭痛が短ければ半日、長ければ3~4日続きます。国内で約840万人、女性が約80%)。女性に多い頭痛で、女性ホルモン(エストロゲン)に関係しているため、月経時(直前も含めて)、排卵時におきます。
また男女共通で起こりやすいのは、気圧が下がる時(天気が崩れる前、台風の接近時)、緊張が解けてリラックスした時(自律神経の影響)におきやすくなります。片頭痛は一種の体質のようなものですから、完全に治すことは出来ません。
片頭痛は医学的に市販の頭痛薬が効きにくい頭痛ですので、片頭痛用のお薬を頭痛外来で処方いたします。また最近画期的な予防薬が開発されて、片頭痛の回数や頭痛の強さを軽減させて、QOL(生活の質)の向上に貢献しています。

前兆のない片頭痛

  • A.B-Dを満たす頭痛発作が5回以上ある
  • B.頭痛の持続時間は4~72時間(未治療若しくは頭痛が無効の場合)
  • C.頭痛は以下の特徴の少なくとも2項目をみたす
    1. 片側性
    2. 拍動性
    3. 中等度~重度の頭痛
    4. 日常的な動作 (歩行や階段昇降などの)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける
  • D.頭痛発作中に少なくとも以下の1項目を満たす
    1. 悪心又は嘔吐 (あるいはその両方)
    2. 光過敏及び音過敏
  • E.ほかに最適なICHD-3の診断がない

片頭痛が起こりやすい状況

誘因

  • 月経周期
  • 天候・温度差
  • 自律神経系
  • 空腹(低血糖)
  • 睡眠時間(寝過ぎ、昼寝)
  • 食品・飲料 (アルコール)
  • 強い光・音・臭い刺激

片頭痛発作と月経周期ホルモン変動との関与

  • 片頭痛の発症時期は、月経が始まる11~13歳ごろが多い
  • 「エストロゲン、プロゲステロンともに女性ホルモンの増減が片頭痛の誘引
    →エストロゲンの減少がセロトニンに影響
  • 排卵日や月経初日はエストロゲンが減少するため、頭痛を訴える人が多い
  • 妊娠中は片頭痛が減る。
    出産1ヵ月後の再発率は40%、 1年後には90%で再発
女性の片頭痛 (1) 全ての30歳台女性の20%に片頭痛発作があります。
・片頭痛は排卵時、月経直前、月経中に多発します。 月経時の頭痛は殆どが片頭痛で、NSAIDsでは効かず、トリプタン製剤が必要です。
・片頭痛は一般的には10歳頃から始まり、10歳代・20歳代・30歳代・40歳代と年齢とともに片頭痛の発作頻度の増加、頭痛強度の増悪、1回の発作持続日数の延長 (1日→最長4日)を認めます。
女性の片頭痛 (2) ・片頭痛を持つ女性の80%は妊娠中に発作が激減し、閉経後に片頭痛は消失します。
・閉経前の月経不順になると、一時的に発作頻度の増加、 頭痛強度の増悪、1回の発作持続日数の延長が生じます。
・妊娠中および閉経前の片頭痛の内服指導には工夫が必要です。
小児の片頭痛 ・片頭痛発作は一般的には10歳頃から始まりますが、 最近の報告では低年齢化が進み、幼稚園児(5歳頃)でも見られます。
・小児の片頭痛は多くは軽度で、 睡眠だけで改善した り、アセトアミノフェン・イブプロフェンで有効ですが、稀には成人同様の強度でトリプタン製剤が必要な患者もいます。
・不登校の原因として、起立性調節障害/脳脊髄液漏出症/慢性片頭痛/頸原性頭痛等の鑑別診断は重要です。

緊張型頭痛

首・肩の凝り、目の疲れなどからおきる最も多い頭痛です(国内で3,000万人)。
特にパソコンで仕事をする時間が多い方、スマホを1日3時間以上見る方、疲労が蓄積している方、睡眠不足が続いている方、大きなストレスを抱えている方たちは必発です。
これは日常の生活習慣に気を付けて、予防策(首回り、肩回りのストレッチ法や自己マッサージ法)をしっかり行えば予防することが出来ます。頭痛外来ではその対策を丁寧にお教えします。

あなたの頭痛はどのタイプ?

緊張型頭痛の特徴

締め付けられるような痛み
・頭の両側が痛む
・圧迫感、 緊縛感、重くるしい鈍痛、頭重感がある
・運動をしても症状が悪くなることはない
・日常生活への支障は少ない (軽度~中程度の痛み)
痛みの周期・頻度
・反復性
・慢性
持続時間
・反復性: 30分~7日間持続する
・慢性: 3ヶ月間にわたり

頭の神経痛(後頭神経痛、三叉神経痛)

頸椎の変形により(頸椎のMRI検査をします)頭の表面の痛みを感じる“後頭神経”が首の内側で圧迫されたり、“緊張型頭痛”の時の首・肩の凝りよりもっとひどい凝りになると、その凝った筋肉によって後頭神経”が圧迫されて生じる頭痛です。
この頭痛は頭の横から後ろにかけて数日~数週間~数ヶ月にわたって痛むことがあります。
市販の頭痛薬も片頭痛用のお薬もあまり効きません。一般の外来ではなかなか正しい診断をしてもらえず、嫌な言葉ですが“たらい回し”になっている方達が多くおられます。頭痛外来では正確に診断し、痛んでいる神経に直接効くお薬を使って治療致します。
これは日常の生活習慣に気を付けて、予防策(首回り、肩回りのストレッチ法や自己マッサージ法)をしっかり行えば予防することが出来ます。頭痛外来ではその対策を丁寧にお教えします。

群発頭痛

国内約10万人、20代~40代の男性に多く、1年の内1ヶ月だけ毎日(特に深夜や明け方)片側の目の奥をえぐられるような激痛が最長3時間続きます。それ以外の11ヶ月は頭痛はありません。
この頭痛はかなり少ない頭痛ですので、正確に診断されて正しく治療されるまでに約7年間要すると言われています。頭痛外来では直ちに診断して治療を開始します。

あなたの頭痛はどのタイプ?

群発頭痛の特徴

片眼の奥がえぐられるような激しい痛み
・前額部や顔面に汗をかく
・痛みは厳密に片側に限定される
・眼窩 (眼球の入っているくぼみ) や同上部が痛む
・側頭部が痛む
・涙が出る
・痛くてじっとしていられない
・結膜が充血する
・まぶたが下がる (眼瞼下垂 )
・まぶたが腫れる (眼瞼浮腫)
・鼻がつまる
・鼻水が出る
痛みの周期・頻度
・年単位の周期で、ある一定の期間に毎日、同時刻に起こる。
・2日に1回~ 1日に8回。
持続時間
・15~180分

混合型頭痛

慢性片頭痛の人:緊張型頭痛の症状も併せ持っていることが多い
混合型頭痛 = 緊張型頭痛 + 片頭痛

治療

  1. 緊張型頭痛の治療をしてその症状を改善させる
  2. 次に片頭痛の治療
頭痛はタイプによって治療法も異なるため、正しい診断を受けることが大切!

片頭痛と緊張型頭痛の鑑別のポイント

  • 片頭痛は突然おきる
  • 悪心・嘔吐、光・音過敏 ⇒ 片頭痛
  • 首を振ったり、肩を動かしたり、入浴で頭痛が増悪するのが片頭痛、 軽減するのが緊張型頭痛
  • 片頭痛はほとんど 30歳までに発症
  • 肩凝りがある=緊張型頭痛ではない
    片頭痛の予兆として肩から頚部の締付感
     

薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)

治療薬(特にOTCのNSAIDsが多い)を過剰に使用すると、徐々に効果がなくなってくるばかりか、頭痛が慢性化することがある。
原因は、脳が痛みを感じやすくなり、かえって頭痛がひどくなる。

症状・特徴

  • 1ヶ月に15日以上頭痛がある
  • 薬物を3ヶ月を超えて定期的に服用している
    <カフェイン含有薬: 10日/月以上、または単一薬 15日/月以上服用>
  • 薬物乱用中に頭痛が著明に悪化する
  • 薬物使用中止後、2ヶ月以内に頭痛が消失、もしくは以前のパターンに戻る