臨床検査科
臨床検査科・病理診断科は2024年12月20日付でISO15189:2022の認定を受けました
臨床検査科のミッション
全ての検査において、品質管理と臨床検査のさらなる品質向上に重点を置き、新しい知識技術の獲得に留意し医療の発展に貢献してまいります。
検体検査・病理検査・生理検査に専門の技師を配置し、これら全ての検査において、品質管理と結果報告時間の短縮、臨床検査のさらなる品質向上に重点を置き、新しい知識技術の獲得に留意し医療の発展に貢献してまいります。
資格認定
| 認定機関 | 資格 | 人数 |
|---|---|---|
| 日本超音波医学会 | 超音波検査士(循環器) | 9 |
| 超音波検査士(消化器) | 9 | |
| 超音波検査士(体表) | 10 | |
| 超音波検査士(血管) | 3 | |
| 超音波検査士(健診) | 1 | |
| 血管診療技師認定機構 | 血管診療技師 | 3 |
| 日本臨床細胞学会 | 国際細胞検査士 | 2 |
| 細胞検査士 | 3 | |
| 日本臨床微生物学会 | 認定臨床微生物検査技師 | 2 |
| 感染制御認定臨床微生物検査技師 | 2 | |
| 日本検査血液学会 | 認定血液検査技師 | 2 |
| 日本臨床検査技師会 | 認定一般検査技師 | 4 |
| 認定心電検査技師 | 1 | |
| 認定臨床染色体遺伝子検査技師 | 1 | |
| 認定病理検査技師 | 2 | |
| 認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師 | 2 | |
| 認定救急検査技師 | 3 | |
| 日本臨床一般検査学会 | 認定穿刺液細胞検査技師 | 1 |
| 日本臨床検査同学院 | 二級臨床検査士(微生物) | 2 |
| 二級臨床検査士(病理) | 2 | |
| 二級臨床検査士(血液) | 3 | |
| 二級臨床検査士(臨床化学) | 2 | |
| 二級臨床検査士(免疫血清) | 3 | |
| 遺伝子分析科学認定士(初級) | 2 | |
| POCT測定認定士 | 2 | |
| 緊急検査士 | 9 | |
| 日本不整脈心電学会 | JHRS認定心電図専門士 | 3 |
| 心電図検定1級 | 3 | |
| 日本臨床生理学会 | 運動負荷検査士 | 1 |
| 日本めまい平衡医学会 | 平衡機能検査士 | 1 |
| 東京糖尿病療養指導士認定機構 | 東京糖尿病療養指導士 | 2 |
| 東京労働基準協会連合会 | 有機溶剤作業主任者 | 2 |
| 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者 | 3 | |
| 安全衛生マネジメント協会 | 化学物質管理者講習会修了 | 2 |
| 保護具着用管理責任者特別教育講習会修了 | 1 |
業務内容
1.遺伝子検査部門
感染症:2024年3月当院と東京都の間で次世代シーケンサー使用による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)行政検査実施の協定が締結されました。これを受け、遺伝子検査部門では行政検査の依頼があった場合に直ちに対応可能な体制を整え定期的にNGS検査解析を行っております。我々は2020年より開始した、SARS-CoV-2感染症診断を目的とした院内PCR検査を、SARS-CoV-2感染症の感染症法の位置付けが5類感染症になった2023年5月8日以降も継続して行い、東京都新型コロナウイルス感染症入院重点医療機関および新型コロナ疑い地域救急医療センターの役割の一端を担っています。
肺がん遺伝子検査:肺がんは、日本における部位別がん死亡数で第1位に位置します。肺がんの多くを占める非小細胞肺がんでは、発症原因となる遺伝子異常が明らかにされ、異常をブロックする有効な分子標的治療薬が開発されてきました。非小細胞肺がんでは、初回診察時に最適な薬の選別を目的とした保険適応のがん遺伝子検査が行われます。我々は、現在使用されているコマーシャルベースの遺伝子検査に技術的な工夫を付加し、より的確な治療薬の選択を可能とするシステムを確立しました。
現在がん細胞で変異する遺伝子の数は、初回診察時に同定される遺伝子の数を大きく超える数百と言われています。これらの遺伝子変異は、がん細胞の悪性化、転移、標準治療および分子治療薬、あるいは免疫治療への抵抗性に関わり、その総合評価はがん治療開始に向けた治療の方針選択、あるいは治療後の病態把握と治療の変更に極めて有効な手段となります。この観点から、当院での次世代シーケンサーを用いた「がんゲノム医療」の近い将来の確立を目指し、現在必要となる技術の整備を行っております。
2.微生物検査部門
細菌検査
感染症が疑われる患者さんから採取した検体から、起炎菌を同定することで感染症診療支援を行っています。緊急性や臨床的意義の高い血液培養検査などについて院内で検査を実施しています。本来無菌である血液中に細菌が存在する菌血症は、重篤な感染症を引き起こすことがあり、抗菌薬治療が必要となります。菌の増殖が認められた場合、生塗抹標本および Gram 染色標本の顕微鏡検査所見から推定される菌種を主治医へ報告し、初期治療を開始します。その後培養検査で発育した菌の同定および感受性検査を実施し、治療方針決定の補助を行います。
迅速検査
イムノクロマト法および PCR 検査を用いて、細菌やウイルスを対象とした迅速検査を行っています。
(インフルエンザ・RSウイルス・A群β溶結性連鎖球菌・尿中肺炎球菌・尿中レジオネラ・C.difficile毒素・ロタ/アデノウイルス・マイコプラズマ・hMPVなど)
迅速PCR検査5,947件
チーム医療
チーム医療として感染対策チーム(Infection Control Team :ICT)と抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team :AST)に参加しています。週 1 回の院内ラウンド(ICT ラウンド)や血液培養検査陽性症例および耐性菌検出症例カンファレンス(AST カンファレンス)を行い、院内感染対策および抗菌薬適正使用に必要な情報を提供しています。また、ICT 会議で感染動向や血液培養検査指標の共有、院内アンチバイオグラムの作成、針刺し切創・皮膚粘膜暴露事故時の検査、厚生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS)事業への参加、感染対策地域連携会議への参加など、様々な活動を通じて院内外の感染対策に関わっています。
3.血液検査部門
血液は多くの細胞とタンパク質により構成され、感染症、アレルギーあるいは医原病の外的な要因により、または血液細胞自身の内的要因により血液中の細胞(血球)の量や機能の変化や、血液凝固系または免疫系に働くタンパク質に異常が起こります。
血液検査部門では、自動血球分析装置を用いて、血液の成分である赤血球、白血球、血小板、網状赤血球数やヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット値、平均赤血球容積(MCV)などの多項目の検査を行ない、また出血、血栓性疾患のスクリーニングを目的として凝固因子能と線溶能の異常の有無を検査し、高品質の結果の取得に力を注いでいます。これらの検査から各疾患の急性期や回復期の病状評価や治療による臨床効果の評価を行います。さらにこの過程で、多様な原因を背景とする血液疾患、あるいは血液の異常を伴う重篤な疾患が疑われる場合に、顕微鏡下で染色された細胞の形態を観察し、その可能性の有無を検討します。この際必要に応じて血液内科医師が骨髄穿刺を実施し、採取された骨髄液について、有核細胞数・巨核球数を算定し、各種特殊染色(メイギムザ染色、ペルオキシダーゼ染色、鉄染色、エステラーゼ染色、PAS染色)を行い鏡検下で個々の細胞頻度と形態の観察を行ないます。この検査は造血機能とそれに関する疾患(白血病や骨髄腫、がんの転移など)の診断に不可欠な検査です。血液細胞の判別は熟練を必要とし、定期的に知識・技術の維持向上に努めています。
4.輸血検査部門
また当院では、厚生労働省の指針に基づき輸血療法委員会を設置し、定期的に委員会を開催しています。輸血製剤の使用状況や、適正使用などについて、医師・看護師・薬剤師・事務員とともに情報の共有と意見交換を行っています。
5.一般検査部門
尿検査をはじめとして便潜血検査や胸水・腹水などの体腔液検査を実施しています。尿検査から得られる情報は多く、検出される成分から腎臓、尿管や膀胱の状態、さらには糖尿病や肝臓・胆嚢の疾患を推測することが可能であり、医師が血液検査等の結果と併せて複合的に評価し、診断をするために欠かせない検査です。尿は定性と沈渣の検査をそれぞれ自動分析機で行っています。定性検査では、尿試験紙に尿を滴下し、試験紙にしみ込んだ試薬との化学反応による色調の変化を測定して糖やタンパク、潜血の量を調べます。
沈渣検査では、赤血球や白血球などの有形成分を、フローサイトメトリー法を原理とした機器により判別・計測し異常成分の出現が疑われるものや沈渣成分が多いものなどは遠心して沈渣成分を顕微鏡で観察しています。便潜血検査は、消化管出血により便に混ざった微量の血液を検出する検査で、ヒト赤血球中に存在するヘモグロビンに対して特異的に反応する抗ヒトヘモグロビン抗体を用いる特異度の高い検査です。大腸癌のスクリーニング検査に用いられ、自覚症状がほとんどない早期の段階で発見が可能であるため健診で広く実施されています。体腔液検査は、胸水や腹水など体腔内に貯留した液体中に出現する様々な細胞を顕微鏡下で観察し、診断や治療効果の判定に非常に有用な検査です。
6.生化学検査部門
臨床検査科では採血後60分以内に臨床側へ結果報告を行い(免疫項目は90~120分)、また、検査結果に緊急異常値(パニック値)が認められた場合には速やかに臨床医に連絡しています。このように診察時に医師が患者さんの状態をいち早く把握し、迅速な治療対応を行えるよう励んでいます。
作業にあたり最も重要な仕事の一つは検査の精度管理です。生化学部門では朝、昼、夜勤引継ぎ前の3回コントロール血清の測定を介して内部精度管理を行い、さらに日本臨床検査技師会やメーカーが主催する外部精度管理調査に参加し信頼性の高い検査の品質保証に努めています。
さらに重要事項として新たな社会情勢、技術の進歩に対応するために臨床側の要望や外注依頼件数が多い項目の院内検査の導入をおこなっています。導入に際しては部門内で試薬の検討や情報収集をおこない、正確で安全、スピーディーな検査サービスを提供できるよう努めています。また今後多項目の検査結果から有意義な情報を解読するためにAI(artificial intelligence)の活用が重要となることを認識しています。
7.生理機能検査部門
循環器系検査
| 2025年度実績(健診を含む) | 41,950件 |
|---|---|
| 検査項目 | 心電図・ホルター心電図・血圧脈波検査(ABI)・皮膚還流圧(SPP)など |
心電図は心臓の活動により生じた電気的変動を波形として記録します。
心臓の病気(不整脈・心肥大・心筋梗塞・狭心症)などの診断目的、手術前や入院時(前)にも行います。
ホルター心電図は24時間小さな機器を胸に装着して1日の心電図変化を見る検査です。
血圧脈波検査 (ABI)は腕と足首の血圧を同時に測定し下肢の動脈の狭窄・閉塞・硬さを調べます。
皮膚還流圧(SPP,Skin Perfusion Pressure)は皮膚表面から1-2mm程度の深さにある毛細血管の圧を測定し、動脈硬化による血流障害や傷の治療効果判定を行います。
呼吸器系検査
| 2025年度実績(健診を含む) | 6,337件 |
|---|---|
| 検査項目 | 肺活量・努力性肺活量・肺拡散能・機能的残気量・薬剤負荷・呼気NOなど |
呼吸器(肺、気管支、肺胞)は生命に必要な酸素を体に取り込む重要な器官で、その働きが正常に作動しているかを知るために検査を行なっています。また、全身麻酔での手術で必要な呼吸管理の判定のためにも検査を行います。
一般的な検査として肺活量(肺に入る空気の量)、努力性肺活量(吸った空気を1秒間でどれほど吐けたか)を測定し肺の換気能力を調べます。さらに精密な検査として肺拡散能(肺から血液中への酸素の取り込みむ効率)、機能的残気量(安静呼吸時での呼吸の余力)の測定を行い、呼吸機能障害の有無を検査します。また喘息の症状や気道の炎症状態を評価するために呼気中一酸化窒素(NO)の濃度の測定、喘息の診断、重症度や治療効果の判定に必要な薬剤負荷試験を行なっています。
神経機能系検査
| 2025年度実績(健診を含む) | 600件 |
|---|---|
| 検査項目 | 脳波・神経生理検査・脳誘発電位検査・終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査など |
脳波検査は脳の微弱な自発的電気的活動を頭皮上の電極でとらえ、波形として記録し脳の働きを調べます。てんかんの診断・病型判定、けいれんや意識障害の評価、器質性脳障害(脳腫瘍・脳血管障害・頭部外傷による脳損傷など)や睡眠異常の診断に用いられます。またこのほかに終夜睡眠ポ リグラフィー(PSG)検査も行っています。
神経伝導検査では、人が活動すると筋肉が収縮し、筋肉の細胞から活動電位という弱い電気が発生します。この活動電位を記録し評価します。この検査は、手足のしびれ、運動麻痺、筋力が低下したと思われる場合に行います。手足の末梢神経障害の有無、程度、部位を判定します。脳誘発電位検査は感覚神経に電気的あるいは機械的な刺激を与え、それによって誘発される反応を記録します。末梢神経から脳幹・大脳皮質に至る長い神経路の機能を見る検査です。
超音波検査
| 2025年度実績(健診を含む) | 20,291件 |
|---|---|
| 検査項目 | 腹部・心臓・乳腺・甲状腺・唾液腺・皮膚・頸動脈・腎動脈・下肢動脈・下肢静脈・リンパ浮腫・バスキュラーアクセスなど |
超音波は臓器や組織の境界で反射します。この反射波を画像に転換して臓器組織の状態を解読する検査です。腹部臓器(肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱、前立腺、子宮)や内分泌臓器(乳腺・甲状腺・唾液腺)での良性腫瘤や悪性腫瘍の有無、炎症や障害、各臓器固有に発症する異常(たとえば、胆石、腎結石)の診断が可能です。また循環器系(心臓・動脈・静脈・リンパ)の検査では心不全・心筋梗塞や心臓肥大・弁膜症や先天性疾患の有無・動脈硬化や動脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫などの診断することができます。
耳鼻科検査
| 2025年度実績(健診を含む) | 6,497件 |
|---|
聴力をはじめとしてめまいや平衡機能障害の検査を行います。
| 検査項目 | 純音聴力検査・言語聴力検査・内耳機能検査・ティンパメトリー検査・耳小骨筋反射検査・補聴器適合検査・耳管機能検査・耳鳴検査・閾値上聴力検査・重心動揺検査・一過性閾値上昇検査・耳音響放射検査など |
|---|
純音聴力検査は、防音室でヘッドホンを両耳にあて、125-8,000ヘルツまでの7種類の異なる音の聴力を左右別々に検査し、聞こえる最も小さな音の大きさを調べます。難聴の場合、程度によりますが音の入る外耳道、音を伝える器官(鼓膜など)、音の振動を電気信号に変換する器官(内耳蝸牛)、及び電気信号の脳への受信に関わる聴神経、中枢神経のいずれかの障害を考えます。
2023年度より耳音響放射検査も始めました。
めまいの検査 平衡機能検査
| 2025年度実績 | 550件 |
|---|---|
| 検査項目 | 重心動揺検査・ラバー負荷検査など |
目眩は内耳の病気、頚部の障害、脳腫瘍や脳出血など、血液の病気、血圧の変動など多くの原因により誘引されます。検査科では内耳や視覚、知覚の異常を検討する重心動揺検査、及び内耳系、中枢神経系の異常の有無を観察する眼振という眼の特徴的な運動を検査します。
8.病理検査部門
