高気圧酸素治療のご案内
当院では2005年12月より高気圧酸素治療を開始しました。主に減圧症、突発性難聴、放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍、難治性潰瘍、スポーツ外傷(捻挫、打撲、筋断裂、靭帯損傷)などを中心に行っています。当院の高気圧酸素治療装置は都内に6台しかない貴重な大型の第2種装置で、複数名同時に治療を行うことができます。
高気圧酸素治療とは
気圧を高めた部屋でマスクを使用して100%濃度の酸素を吸入し、体内に大量の酸素を送り込むことで、病態の改善が見込める治療を「高気圧酸素治療」といいます。怪我などで損傷した部分は回復するために大量の酸素を必要とします。呼吸で得られる酸素量の10~20倍もの酸素を体内に取り込むことで、あらゆる箇所の低酸素状態の改善を図り、損傷した組織を回復させる効果が見込まれます。
酸素カプセルとの違い
酸素カプセルは健康器具であり、医療機器ではありません。大きな違いとしては気圧と酸素吸入です。酸素カプセルは1.3気圧程度しか加圧されなく、酸素吸入は行いません。一方、高気圧酸素治療装置は2.8気圧までの加圧が可能です。その中で100%濃度の酸素を1時間以上吸入しながら行います。そのため、高気圧酸素治療の方がより多量の酸素を損傷した組織に送り込むことができ、炎症の改善と共に障害の修復を促進することが可能です。
治療の流れ
- 医師による診察および治療に関する説明 ※未成年者は親権者の同意が必要となります。
- 臨床工学技士による注意事項の説明
- 治療着に着替え、持ち物の確認
- 装置へ入り治療を開始 ※閉所恐怖症の方には難しい場合があります。
- 酸素マスクを着用し、加圧時は適宜耳抜きを実施
- 治療終了後、異常がないかを確認
副作用としては
頻度が多い副作用は、気圧が高いことによる外傷(内耳や中耳、肺の損傷)です。内耳や中耳の外傷は“耳抜き”ができない場合に起こります。“耳抜き”とは内耳・中耳と外界を同気圧にする方法です。これができないと本治療が困難なことがあります。
お願い
予約時間を過ぎた場合、治療が受けられないことがありますので予約時間は厳守ください。当院は救急医療を行っており、減圧症、一酸化炭素中毒症等での患者搬送が有った場合、予約の変更をお願いする場合が有りますので、ご理解の程を宜しくお願いいたします。