東京品川病院 呼吸器病センター

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疾患ガイド

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、気管支や肺胞に長く続く障害が生じ、息を吐き出しにくくなる病気です。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の原因と特徴

肺胞の壁が壊れる肺気腫や、気管支に炎症が続く変化などが関わっています。主な原因は長年の喫煙ですが、受動喫煙や仕事で吸い込む粉じんなどが影響することもあり、喫煙経験のない方にもみられます。ゆっくり進むため、息切れを年齢や運動不足のせいと考えて気づかない場合があります。障害された肺を完全に元に戻すことは難しくても、禁煙や適切な治療により、症状を軽くし、悪化を防ぐことができます。息苦しさから動かなくなると筋力が低下し、さらに動きにくくなるため、日常の活動を保つことも大切です。また、感染などをきっかけに症状が急に悪化する「増悪」を起こす場合があり、普段の状態を安定させる治療と、変化に早く気づく備えが必要です。

主な症状

初めは階段や坂道、急ぎ足のときに息切れを感じ、進行すると着替えや入浴などでも息が上がるようになります。咳や痰が長く続くこともありますが、目立たない方もいます。「同年代の人と同じ速さで歩けない」「途中で休むことが増えた」といった生活の変化が手がかりになります。体重の減少や疲れやすさを伴う場合もあります。いつもより息切れが強い、咳や痰が増える、痰の色が変わる場合は、増悪や肺炎などが考えられるため、早めに相談してください。安静にしていても苦しい、会話が難しい、意識がぼんやりする場合は救急受診が必要です。急な胸の痛みや突然の息苦しさでは、気胸や心臓の病気なども確認する必要があります。息切れを我慢せず、変化を伝えましょう。

検査について

診断の中心は、息を大きく吸って勢いよく吐く呼吸機能検査(スパイロメトリー)です。気管支を広げる薬の使用後も空気の流れが妨げられているかを確認し、喫煙歴や症状、ほかの病気の可能性と合わせて判断します。胸部エックス線やCTは、肺気腫の状態や肺がんなどの合併を調べるために用います。必要に応じて酸素飽和度、血液中の酸素・二酸化炭素、歩行時の状態も評価します。画像の所見だけでCOPDの診断を決めるわけではありません。

治療について

喫煙している方では禁煙が治療の土台です。薬物治療は、気管支を広げる吸入薬を中心に、息切れや増悪の頻度に応じて調整します。吸入ステロイドは全員に必要な薬ではなく、喘息の合併や血液中の好酸球、増悪歴などを踏まえて追加します。吸入器は種類によって使い方が異なるため、定期的に手技を確認しましょう。運動療法や栄養管理を含む呼吸リハビリテーションも、息切れを軽くし、生活の活動性を保つために重要です。体調に合った歩行や筋力トレーニングを続け、ワクチン接種などで感染を予防します。血液中の酸素が慢性的に不足する方には、在宅酸素療法を検討します。増悪時は追加の吸入薬や短期間のステロイド、必要に応じて抗菌薬などを用います。治療を続けても増悪を繰り返す一部の方では、生物学的製剤などを検討する場合もあります。症状が安定していても自己判断で治療をやめず、定期的な評価を受けましょう。