東京品川病院 呼吸器病センター

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疾患ガイド

ウイルス性肺炎

ウイルス性肺炎は、ウイルスの感染によって肺に炎症が起きる病気です。鼻やのどを中心とするかぜとは異なり、酸素を血液に取り込む肺の働きが損なわれることがあります。

ウイルス性肺炎の原因と特徴

原因にはインフルエンザウイルス、新型コロナウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどがあり、流行する時期やかかりやすい年齢はさまざまです。感染したすべての人が肺炎になるわけではありませんが、高齢の方や慢性の肺疾患・心臓病がある方、免疫が低下している方では重症化に注意が必要です。ウイルスだけで肺炎を起こす場合に加え、細菌感染が同時に起こったり、後から加わったりする場合もあります。軽症で外来治療ができる方もいれば、短期間に呼吸状態が悪化して入院が必要になる方もいます。

主な症状

発熱、咳、体のだるさに加えて、息切れや息苦しさが現れます。鼻水やのどの痛みが先に出て、その後に咳や呼吸の症状が強くなることもあります。痰の少ない咳が続く場合もありますが、症状や痰の色だけで細菌性肺炎と見分けることはできません。高齢の方では高熱が目立たず、食欲が落ちる、動けなくなる、普段よりぼんやりするといった変化が手がかりになることもあります。少し動くだけで息が切れる、呼吸が速い、水分がとれない場合は、早めに受診してください。安静にしていても苦しい、唇の色が悪い、会話が難しい、意識がはっきりしない場合は、救急受診が必要です。一度軽快した発熱や咳が再び強くなる場合にも、細菌感染の合併などを調べます。

検査について

症状の経過や持病を伺い、呼吸音、呼吸数、酸素飽和度を確認します。胸部エックス線検査や、必要に応じてCT検査で肺炎の広がりを調べます。原因の確認には、鼻やのどなどの検体を用いた抗原検査やPCRなどを検討しますが、すべてのウイルスを調べるわけではなく、原因が特定できないこともあります。画像だけで原因を決めることは難しく、血液検査や痰の培養検査なども組み合わせ、重症度や細菌感染の合併を評価します。

治療について

治療は、原因となるウイルスと肺炎の重症度に合わせて行います。軽症では休養と水分・栄養の補給を基本に、発熱や咳などを和らげます。インフルエンザや新型コロナウイルスによる肺炎では、発症からの日数や重症化のリスクに応じて抗ウイルス薬を使用します。他のウイルスでは一般的に使える抗ウイルス薬がなく、体の回復を支える治療が中心となります。酸素が不足する場合や食事・水分が十分にとれない場合には、入院して酸素投与や点滴などを行い、重症では人工呼吸器による管理が必要になることもあります。抗菌薬はウイルス自体には効きませんが、細菌感染の合併が疑われる場合などに使用します。熱が下がっても呼吸状態が悪化することがあるため、息苦しさや全身状態の変化に注意してください。療養中は換気や手洗い、咳エチケットを心がけ、回復後も無理をせず、医師の指示に沿って再診しましょう。