令和3年度 東京品川 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 158 76 403 524 655 889 1075 1995 1632 604
令和3年度の退院患者数は8,011名でした。
全体的に前年度よりも患者数は増加しています。高齢者の退院数が多い傾向となっています。
0~9歳の患者数が増加した理由としては、分娩件数が前年度より増加しており、それに伴い入院治療を必要とする新生児の入院件数が増加した影響によるものです。
当院は365日24時間救急患者を受入れる病院として、地域医療への貢献を目指しています。
(24時間以内の死亡、交通事故、労災、通常の妊娠分娩の患者は含まれていません。)
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2なし 86 31.67 20.57 40.7 86.69
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術処置等1あり 79 2.04 2.03 0.00 54.67
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術処置等2なし 46 16.50 18.42 8.70 73.33
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 37 21.05 13.14 8.11 76.76
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1あり 手術処置等2なし 34 2.91 3.30 0.00 66.62
呼吸器内科の診療体制の拡充を図り、専門性の高い診療を実施しております。
 睡眠時無呼吸症候群に関しては、診断目的で行うポリソムノグラフィー検査枠を拡大するなどして積極的に診断治療を行っています。診断入院は、夜に入院し翌朝に退院と、会社を休まず診断が得られます。
 肺癌に関しては、2018年4月以降、積極的に診断治療を行っております。気管支鏡検査においては、呼吸器内視鏡学会認定施設となっており、週3回の検査日を設け、迅速な診断を努めております。また、呼吸器外科・放射線科と連携し、スムーズな集学的治療を行っています。
 間質性肺炎は治療が難しく、受け入れ可能な施設が少ないですが、当院は積極的に受け入れており、抗線維化薬による維持治療や急性増悪時の治療を行っております。
 引き続き地域からのニーズの高い肺炎や、誤嚥性肺炎も受け入れております。誤嚥性肺炎では平均年齢が86歳以上で、平均31.67日の入院日数です。当院は積極的にリハビリテーション介入を行っており、自宅退院を目指し回復期病棟と連携し診療しております。
 呼吸器内科は総合内科としての役割も担っており、尿路感染症などの内科疾患も入院治療しております。
(※COVID-19の患者は含んでおりません)
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 198 2.11 2.65 0.00 64.78
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術処置等2なし 定義副傷病名なし 97 8.35 9.21 2.06 74.55
060380xxxxx00x ウイルス性腸炎 手術処置等2なし 定義副傷病名なし 71 4.65 5.53 0.00 41.61
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 65 6.18 7.70 0.00 58.86
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術処置等2なし 36 8.00 10.84 11.10 68.89
消化管には、腫瘍性病変が生じます。良性であっても、時間の経過とともに悪性になっていくことがあるために治療が望ましいです。内視鏡的に腸の表面だけを切除することで、有効で低侵襲、消化管機能の温存が可能になります。
 胆管内から胆汁を排出できなくなると、胆管炎を起こします。胆管にできた結石や腫瘍によって胆汁の出口が塞がれてしまうことが原因の一つです。内視鏡的に結石を除去したり、胆汁を排出する道を作ったりすることで治療を行います。
 胃腸炎には細菌性腸炎・ウイルス性腸炎・薬剤性腸炎・憩室炎・虚血性腸炎など様々な原因があります。腸を休めるために入院が必要になります。絶食・抗菌薬投与などで治療を行います。保存的治療では改善が期待できない場合には、内視鏡を積極的に用いて、病状の改善に努めます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術処置等1-なし、1,2あり 手術処置等2なし 183 3.26 4.36 0.55 70.50
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術処置等1なし 手術処置等2なし 129 14.82 17.35 19.38 83.74
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置等1-2あり 手術処置等2なし 80 3.51 3.27 1.25 71.20
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術処置等1-なし、1あり 手術処置等2なし 定義副傷病名なし 80 3.35 5.32 0.00 75.10
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術処置等1-1あり 手術処置等2なし 38 3.39 3.06 5.26 66.00
 第一に多いのは冠動脈疾患の治療目的の入院で、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行い、ほとんどの患者さんが合併症なく治療の翌日退院しています。次に多いのが全国的に増加している心不全の患者さんで、当院でも前年度比で43%の増加となっています。この診断群の特徴として83歳以上の超高齢者が多いため入院が長期化する傾向が挙げられますが、リハビリテーションを早期に開始し、退院支援を積極的に行っている結果平均在院日数は14.8日と前年と同様に全国平均より短く出来ています。次に多いのが冠動脈疾患の治療方針決定のためのカテーテル検査目的の入院で、3日前後の在院日数で冠動脈造影、冠血流予備量比の測定、光干渉断層像による冠動脈の詳細な評価を行うことによりそれぞれの患者さんに最適な治療方針の選択を行っています。次に多いのが閉塞性動脈硬化症等の末梢動脈血管内治療目的の入院で、前年の2倍以上となっています。次に多い診断群は非閉塞性冠動脈疾患(INOCA)の精査目的の入院で、アセチルコリン負荷による冠攣縮誘発試験等による診断確定を行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術処置等2なし 109 3.61 6.13 2.75 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術処置等2なし 27 6.26 11.01 7.40 0.00
140010x197x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術あり 手術処置等2なし - - 7.78 - -
- - - - - - -
- - - - - - -
小児科は、早産や小さく生まれた赤ちゃんの哺乳や呼吸循環の管理を行ったり、仮死などの疾患を合併した赤ちゃんの治療を行います。また、新生児黄疸に対する治療も多く扱っています。
出生後の成長はさまざまです。よって一人一人に寄り添った診療を行っています。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 74 4.31 4.74 1.35 69.36
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 69 5.03 5.40 0.00 38.32
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術処置等1なし 手術処置等2なし 定義副傷病名なし 41 5.88 7.11 0.00 57.85
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 39 5.95 6.25 0.00 60.38
060150xx99xx0x 虫垂炎 手術なし 定義副傷病名なし 29 7.66 7.31 0.00 50.10
当科では、がん診療、救急診療、一般外科診療を3本の柱としております。がん診療としては、大腸がん、胃がんや膵がんなどの消化器がん疾患の患者さんの治療を多く行っております。救急診療としては、急性虫垂炎、胆のう結石症・胆のう炎の患者さんが救急外来などを経て数多く受診されています。一般外科としては、鼠径ヘルニアや痔核などの肛門疾患を担当しております。
乳腺甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術処置等1なし 21 8.52 10.15 0.00 63.42
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 15 6.13 5.88 0.00 66.6
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術処置等1なし - - 8.19 - -
100220xx01xxxx 原発性副甲状腺機能亢進症、副甲状腺腫瘍 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術 副甲状腺(上皮小体)摘出術等 - - 7.59 - -
100130xx97x0xx 甲状腺の良性結節 手術あり 手術処置等2なし - - 7.20 - -
 乳がん専門施設として手術、薬物療法を行っています。先に抗がん剤の治療を行ってから手術を行う場合や、年齢や基礎疾患や患者さんやご家族の意向により、手術を行わず、ホルモン療法などの薬物療法を行う場合もあります。
 甲状腺学会・内分泌外科学会専門医が甲状腺や副甲状腺の手術を行っています。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070520xx97xxxx リンパ節、リンパ管の疾患 手術あり 17 5.41 8.63 0.00 58.70
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 - - 2.75 - -
070520xx99xxxx リンパ節、リンパ管の疾患 手術なし - - 8.63 - -
- - - - - - -
- - - - - - -
当科では(心臓)血管・脈管疾患に対して外科治療を行っています。動脈疾患では腹部大動脈瘤に対して開腹的人工血管置換術を行っており、以前行われていたステントグラフト手術の再開を予定しております。その他末梢動脈疾患に対して、循環器内科によるカテーテル治療に加えて、血栓除去や内膜摘除、またバイパス術など血行再建術を行っています。一方むくみを呈する静脈・リンパ管疾患については、下肢肢静脈瘤に対して指導医が焼灼術やグルー塞栓術など最新の血管内治療を行っております。また血管疾患の中でも専門家が少ないリンパ浮腫に対して、マイクロサージェリーの技術を用いた顕微鏡下リンパ管静脈吻合術を主に行っております。
慢性的な疾患のほか、急性動脈閉塞や大動脈解離など緊急を要する疾患にも対応しております。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 手術:人工骨頭挿入術 肩、股等 139 42.06 25.32 33.09 81.17
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術:あり 定義副傷病:なし 46 5.24 4.99 4.35 52.76
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 手術:骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 39 20.82 14.64 5.13 72.13
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術:あり 定義副傷病:なし 32 3.78 5.99 0.00 43.28
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術:なし 手術処置等2:なし 23 29.87 19.02 43.48 79.17
昨年度より引き続き、外傷の患者さんが多く受診されました。骨折をはじめとした外傷の治療が多い傾向となっています。また、高齢化に伴い、骨粗しょう症に伴う骨折も増加しており、大腿骨近位部骨折の入院が増えています。
大腿骨骨折、骨盤損傷で平均在院日数が全国平均より長くなっているのは、急性期治療後、回復期リハビリテーション病棟で引き続きリハビリを継続される患者さんが多いためです。また、近隣のリハビリ専門病院へ転院される患者さんも多く、転院率が高くなっています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術処置等2なし 10 2.8 2.94 0.00 76.40
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術処置等1なし 手術処置等2なし - - 5.16 - -
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術処置等1なし - - 5.49 - -
100100xx97x1xx 糖尿病足病変 手術あり 手術処置等2あり - - 48.20 - -
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり - - 6.18 - -
当科では、形成外科領域における一般的な手術を行っています。
眼瞼下垂は、術後の腫脹も考慮して短期入院での手術を行っています。また、鼻骨骨折や頬骨骨折などを含む顔面外傷に対しても手術を行っています。多い疾患としては皮膚腫瘍になりますが、大きさや深さによっては入院での手術を行っています。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
脊髄脊椎外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 62 25.08 19.34 19.35 81.24
070370xx01xxxx 脊椎骨粗鬆症 経皮的椎体形成術 37 23.45 18.34 10.81 81.16
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術処置等1なし 36 28.97 19.76 2.78 69.11
070341xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 手術なし 手術処置等2あり 28 1.42 2.98 0.00 65.71
160690xx01xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 脊椎、骨盤脱臼観血的手術等 26 48.80 30.60 15.38 75.23
当科は脊椎脊髄疾患の治療に特化した診療科です。脊椎脊髄に関連するあらゆる疾患を診断治療しています。脊椎圧迫骨折や脊髄損傷などの外傷や急性腰痛症などの救急疾患は、毎日24時間体制で受け入れており、必要に応じて緊急手術なども行っています。(平均在院日数は回復期リハビリテーション入院を含んでいます。)
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術処置等2なし 定義副傷病名なし 55 31.63 8.30 5.45 70.52
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術処置等2なし 定義副傷病名なし 43 31.80 9.78 2.33 70.53
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術処置等1なし 手術処置等2なし 定義副傷病名なし 43 44.83 18.90 9.30 66.13
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術処置等2なし 定義副傷病名なし 35 32.06 7.20 5.71 70.58
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術処置等1なし 手術処置等2-4あり 定義副傷病名なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 30 20.03 15.63 3.33 66.70
当院は救急の受入れを24時間365日対応しており、頭部外傷や脳梗塞を始めとする脳卒中の救急患者などの受入れが多数あります。
頭部外傷では、外傷性くも膜下出血や硬膜下出血、頭部挫創などが多い傾向です。
 脳梗塞は、発症後の時間経過により治療法が異なります。超急性期ではアルテプラーゼによる血栓溶解療法や血栓回収療法、急性期では脳保護療法(エダラボン)や抗血小板療法・抗凝固療法などがあります。急性期病棟で治療後は早期離床を目標にリハビリテーション介入し、日常生活動作(ADL)の低下を防ぐことにより、自宅退院及びリハビリ施設(介護施設を含む)への転院を可能としています。
 前庭障害(めまい)は脳内病変などが否定できれば、できるだけ早期に離床し、平衡障害の後遺症の予防に努めています。このため嘔気や嘔吐が軽快して経口摂取ができれば、できるだけ早期の退院を心がけています。
 てんかんの治療は原則てんかん薬による薬物療法になります。長期間の服用を必要とするケースが多く、外来でフォローしていきます。
(平均在院日数は回復期リハビリテーション入院を含んでいます。)
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術処置等2なし 定義副傷病名なし - - 10.47 - -
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 手術処置等2なし - - 9.26 - -
040050xx97x0xx 胸壁腫瘍、胸膜腫瘍 その他の手術あり 手術処置等2なし - - 12.44 - -
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術処置等2なし 定義副傷病名なし - - 9.86 - -
160450xx99x10x 肺・胸部気管・気管支損傷 手術なし 手術処置等2あり 定義副傷病名なし - - 10.84 - -
呼吸器外科では、肺癌やその他の肺腫瘍、気胸、膿胸、縦隔腫瘍等の手術を主に行っております。呼吸器内科と連携し、肺癌の化学療法、気管支鏡検査も行っております。呼吸器外科領域でも低侵襲手術が主流となっており、肺葉切除術の90%に対し胸腔鏡手術を行っています。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 81 8.14 9.39 0.0 34.22
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 41 7.27 9.38 0.0 32.61
120140xxxxxxxx 流産 19 2.00 2.44 0.0 34.05
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし 16 17.38 21.53 18.75 32.81
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術処置等2なし 14 3.14 3.05 0.0 41.64
・胎児及び胎児付属物の異常は、胎児胎盤機能不全により緊急帝王切開や吸引・鉗子分娩に至った例や骨盤位や児頭骨盤不均衡等による選択的帝王切開例が主体である。
・分娩異常は、分娩停止により緊急帝王切開や吸引・鉗子分娩に至った例が主体である。
・流産には、稽留流産や不全流産、切迫流産の管理を含む。
・早産、切迫早産(妊娠週数34週未満)は、妊娠36週での分娩など切迫早産の管理入院が主体である。
・子宮頸・体部の悪性腫瘍は子宮頸部・体部の初期の悪性腫瘍や高度異形上皮・異形子宮内膜増殖症の手術が主体である。また、子宮の良性腫瘍は、婦人科疾患(子宮筋腫等)手術管理が主体である。
(*通常の妊娠分娩については、DPC対象外のため件数に含まれておりません。)
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 348 1.53 4.83 0.00 75.17
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 140 1.49 2.71 0.00 71.70
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術処置等1あり 手術処置等2なし 13 3.62 6.14 0.00 65.92
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 片眼 - - 5.36 - -
100140xx99x00x 甲状腺機能亢進症 手術なし 手術処置等2なし 定義副傷病名なし - - 10.39 - -
眼科では、白内障を中心に入院診療を実施しております。
白内障に対する水晶体再建術は、クリニカルパスに沿っての入院診療を実施しております。
水晶体再建術は、患者さんのご希望の応じて、片眼1泊2日または日帰り入院で行っております。
網膜前膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症、硝子体出血などの網膜硝子体疾患に対する硝子体手術も実施しております。
網膜硝子体疾患に対する硝子体手術は、クリニカルパスに沿っての入院診療を実施しております。
入院期間は疾患や術後の状態によりますが、2泊3日~5泊6日程度の入院で行っております。
また甲状腺眼症に対して、ステロイド加療目的での入院がありました。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030428xxxxxxxx 突発性難聴 34 7.88 8.75 0.00 57.85
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 32 5.19 5.71 0.00 35.88
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 28 4.82 6.47 0.00 61.50
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 20 8.30 7.84 0.00 30.40
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 20 5.10 4.92 0.00 62.70
突発性難聴ではステロイド点滴治療が一般的ですが、当院では高気圧酸素治療も併用する事が可能です。顔面神経麻痺ではステロイドの点滴治療の他抗ウイルス剤を使用します。また入院中から顔面神経のリハビリも開始します。ステロイドの点滴治療ですが糖尿病があると1週間の点滴スケジュールの他、血糖値のコントロールのためさらに1週間程度の入院が必要となる場合があります。
顔面神経麻痺では発症から1週間から10日で電気生理学的評価を行い結果により顔面神経減荷術を行うようにしています。
扁桃周囲膿瘍は切開排膿が必要な場合CTで周囲の危険構造(動脈)との関係を評価した後切開排膿するように努めております。鼻副鼻腔手術の入院期間は4~5日です。扁桃の手術では入院期間は術後出血の可能性を考慮して概ね8日間としています。
前庭機能障害(めまい)は脳内病変が否定できればできるだけ早期に離床していただき、平衡障害の予防に努めております。前庭神経炎などではリハビリの介入もしております。因みに耳の手術は3~4日の入院期間となります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術処置等1なし 定義副傷病名なし 157 5.63 5.56 1.27 57.00
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術処置等1あり 92 2.30 2.50 0.00 74.24
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術処置等2なし 74 6.93 7.02 0.00 77.09
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 定義副傷病名なし 62 3.90 7.16 0.00 53.92
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 34 9.94 13.14 0.00 63.44
令和3年(R3)度は過去2年に比べ、さらに上部尿路結石の患者数が増えております。
DPCコード11012XXX020X0Xは上部尿路結石でR2年135から157症例となっております。平均在院日数は5.63日と全国平均の5.56日と大きくは変化しておりません。当院は2泊3日で経尿道的尿路結石破砕術の設定をしていることで在院日数が短いと考えます。術後発熱等で退院が延期するケース、超高齢者(80歳以上)のため経過観察入院を1日ほど長くするケースもありますが、ほとんどの患者さんが2泊3日で帰宅されております。
結石症例の中には感染を伴っていることもあり、DPCコード11012XXX97X0Xの上部尿路疾患は結石性腎盂腎炎などの急性複雑性尿路感染によるもので、尿管ステント留置を行い、点滴加療を行いましたが、比較的R2年と比べると若年者が多いこともあり在院日数が3.9日と短期間となっております。
R3年はコロナ禍でありましたが健診を受ける方が多く、PSA高値で精密検査となる患者さんが増えました。DPCコード110080XX991XXXの前立腺の悪性腫瘍は前立腺針生検にあたりますが、前年の66から92症例となりました。R1年は96症例でした。
膀胱悪性腫瘍(DPC110070XX03X0XX)74症例(R2年:47症例)、腎臓または尿路の感染症(DPC110310XX99XXXX)34症例(R2年:39症例)で、膀胱悪性腫瘍は過去2年で最も多い症例数となりました。
内分泌糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術処置等2-1あり 33 14.24 14.41 9.09 67.09
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術処置等2なし 定義副傷病名なし 16 13.88 13.25 0.00 55.44
100140xx99x00x 甲状腺機能亢進症 手術なし 手術処置等2なし 定義副傷病名なし - - 10.39 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.14 - -
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術処置等2なし - - 11.15 - -
当科では、糖尿病の血糖コントロール目的の入院がメインですが、当院は救急指定病院のため糖尿病性ケトアシドーシスの患者さんが1カ月に1件以上救急搬送されました。
その他、甲状腺疾患の患者さんも受け入れました。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 20 - - - - - 1 8
大腸癌 36 15 26 26 - 13 1 8
乳癌 17 13 - - - - 1 8
肺癌 - - - 41 - 21 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
初発の5大癌総数は260件で、再発の総数は47件です。
初発は大腸癌が最も多く、次いで胃癌、乳癌の順となっています。それに対し、再発は肺癌が最も多く、次いで大腸癌、胃癌の順となっています。
当院では外科的治療、抗がん剤治療(外来化学療法も設置)を行っております。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 18 7.56 49.17
中等症 61 17.20 83.15
重症 - 27.29 89.43
超重症 - - 89.00
不明 - - -
成人市中肺炎の全症例数のうち、中等症の患者数が最も多く、全体の70%を占めています。
中等症以上の平均年齢は80歳以上となっており、重症になるほど平均年齢が高くなっています。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
   COVID-19の患者は含んでおりません。

脳梗塞の患者数等
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 170 44.33 72.74 13.37
その他 32 39.63 73.06 3.47
発症日から入院日までの日数によって「3日以内」「その他」に分けています。
発症日から3日以内の平均年齢は72.74歳、その他は73.06歳と高齢者が多くなっています。
多くの患者さんが、発症から3日以内に治療を開始され、早期のリハビリテーションに取り組んでおります。
(当院は回復期リハビリテーション病棟への転棟が多く、平均在院日数が長くなる傾向があります。)
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) - - - - -
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -
K508-3 気管支熱形成術 - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
 当科では、軽症から重症例まで幅広く専門的に気管支喘息治療を行っていますが、難治性気管支喘息に対して、抗体製剤などの最新の薬物治療だけでなく、気管支鏡による温熱療法(気管支熱形成術)も行っています。
 喀血に対しては、放射線科と連携して、止血術を施行しております。
 また、呼吸器外科と連携して、胸腔鏡下にて肺・胸膜生検を行っています。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 194 025 1.08 0.00 64.93
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 52 0.81 9.31 3.85 76.17
K654 内視鏡的消化管止血術 45 0.62 7.84 11.11 67.07
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 34 0.47 4.21 0.00 66.59
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 30 1.90 7.23 3.33 77.17
 特に内視鏡を用いたがん治療、消化管出血に対する止血術、胆石治療を重点的に行っています。食道、胃、十二指腸、大腸と全ての消化管にできるポリープや早期がんに対して、内視鏡を用いて切除する手術を多数実施しています。病変の下の粘膜下層に生理食塩水やヒアルロン酸などを注入して病変の粘膜を持ち上げ、電気メスで病変部を切除する粘膜切除術や粘膜下層剥離術を積極的に行っています。
 胆石発作に代表される黄疸の治療には、ステントと呼ばれるチューブを内視鏡的に胆汁の出口に挿入し、黄疸の治療を行っています。
 また救急領域では胃潰瘍や十二指腸潰瘍からの出血、大腸憩室からの出血などに対して、内視鏡を用いて高周波凝固装置による焼灼やゴムバンドを用いた方法など、出血に応じた最も有効性の高い方法での止血を行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 108 1.57 1.99 1.85 72.24
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 86 1.64 2.72 1.16 73.72
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 42 1.45 1.14 0.00 67.29
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 26 1.04 2.38 0.00 66.42
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 23 0.04 18.87 0.00 67.13
当院循環器内科で行う手術として、狭心症などの安定冠動脈疾患に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が挙げられます。薬剤溶出ステント植え込み術が治療の主体となっていますが、ステント再狭窄病変や、小血管の治療には薬剤コーテッドバルーンを用いた経皮的冠動脈形成術を積極的に行っています。この両者の治療に際しては、造影所見のみでなく血管内超音波や光干渉断層像を全例に用いて最適な治療を行うよう努めており、合併症で転院を要した症例はいませんでした。急性心筋梗塞に対する緊急のPCIは23例行っており、5番目の手術件数となっています。早期退院を目指して1週間程度の入院が多いものの、長期入院が避けられなかった重症患者さんも複数いたため術後在院日数が多かったと考えます。閉塞性動脈硬化症に対して四肢の血管拡張術を86例行っており、こちらは術後早期退院が出来ています。経皮的カテーテル心筋焼灼術は心房細動やその他の不整脈に合計26例施行しており、治療成績もよく術後すぐに退院できています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) - - - - -
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
出生後、子宮外生活への移行が順調に進行しないケースは、積極的な蘇生手段を必要とします。その場合、NCPRのプロトコールに沿った標準的な新生児蘇生を分娩にかかわる医療スタッフとともにチームで対応しています。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 83 1.05 3.87 0.00 59.45
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 69 0.86 2.34 0.00 69.39
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 68 0.50 3.53 0.00 38.54
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 32 5.91 12.75 3.12 74.72
K718-22 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) 22 0.77 5.64 0.00 43.73
当科では、安全性・治療の確実性と根治性を十分に考慮した上で、患者さんへの侵襲を軽減した腹腔鏡下手術を積極的に採用しております。内視鏡外科学会技術認定医の指導のもと、大腸がんや胃がんに対しても、腹腔鏡下手術を標準的に行っております。鼠径ヘルニアについては、日帰りから入院手術まで、患者さんの多様なニーズに対応します。ほとんどの手術入院にクリニカルパスを導入し、治療内容を均霑化し適切な術後在院日数となるように努めております。
乳腺甲状腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 15 1.60 3.53 0.0 66.66
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部覚醒を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの - - - - -
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) - - - - -
K4641 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術 - - - - -
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみの場合) - - - - -
病変の広がりや部位に応じて、部分切除術または乳腺切除を行っています。
わきの下はセンチネルリンパ節生検(最初にがんが流れていくであろうリンパ節のみ摘出)を行います。また甲状腺や副甲状腺の手術を行っています。
形成外科医とともに乳房再建手術も行っています。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K628 リンパ管吻合術 17 2.00 2.41 0.0 58.70
K6171 下肢静脈瘤手術(抜去切除術) - - - - -
K617-6 下肢静脈瘤血管内塞栓術 - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
当科では(心臓)血管・脈管疾患に対して外科治療を行っています。動脈疾患では腹部大動脈瘤に対して開腹的人工血管置換術を行っており、以前行われていたステントグラフト手術の再開を予定しております。その他末梢動脈疾患に対して、循環器内科によるカテーテル治療に加えて、血栓除去や内膜摘除、またバイパス術など血行再建術を行っています。一方むくみを呈する静脈・リンパ管疾患については、下肢肢静脈瘤に対して指導医が焼灼術やグルー塞栓術など最新の血管内治療を行っております。また血管疾患の中でも専門家が少ないリンパ浮腫に対して、マイクロサージェリーの技術を用いた顕微鏡下リンパ管静脈吻合術を主に行っております。
慢性的な疾患のほか、急性動脈閉塞や大動脈解離など緊急を要する疾患にも対応しております。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(上腕) 151 1.03 37.18 20.53 78.64
K0462 骨折観血的手術(下腿) 78 2.24 15.64 7.69 57.62
K0811 人工骨頭挿入術(股) 52 1.79 41.33 36.54 82.65
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 40 0.25 2.28 0.00 45.50
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) 33 0.58 11.24 3.03 51.12
救急患者を積極的に受け入れているため、昨年に引き続き外傷の患者さんが多く、中でも骨折をはじめとした外傷に対する手術が多い傾向となっています。術後は早期にリハビリを開始します。急性期治療後、回復期リハビリテーション病棟で引き続きリハビリを継続される患者さんが多いため平均術後日数が長くなっています。また、近隣のリハビリ専門病院へ転院される患者さんも多く、転院率が高くなっています。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2193 眼瞼下垂症手術(その他) - - - - -
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) - - - - -
K334 鼻骨骨折観血的手術 - - - - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) - - - - -
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) - - - - -
眼瞼下垂に関しては、患者さんの状態に合わせて、適切な術式を選択して手術を行っています。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
脊髄脊椎外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K142-4 経皮的椎体形成術 61 3.96 16.62 9.84 81.45
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 49 4.57 24.67 8.16 74.20
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 43 2.46 21.60 2.33 73.58
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 32 2.03 16.53 3.13 69.59
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 21 3.85 24.09 0.00 70.80
当科は脊椎脊髄疾患の治療に特化した診療科です。脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの脊椎変性疾患をはじめ、圧迫骨折や脊髄損傷などの外傷、脊椎脊髄腫瘍、手根管症候群などの末梢神経疾患の診断と治療など、脊椎脊髄末梢神経のあらゆる疾患に対して治療を行っています。当科では手術からリハビリテーションまで一貫して治療を行うことが出来ます。(平均在院日数は回復期リハビリテーション入院を含んでいます。)
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 34 2.82 24.85 2.94 81.50
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(脳内のもの) 29 5.17 55.44 27.59 65.51
K178-4 経皮的脳血栓回収術 27 0.37 55.48 25.93 76.92
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 26 6.50 9.15 0.00 75.38
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 23 5.26 48.82 4.35 67.69
当院は救急の受入れを24時間365日対応しており、時間外の対応は迅速なオンコール体制で、様々な脳血管障害・頭部外傷等に対する緊急手術も多く行っています。
 慢性硬膜下血腫に対する穿孔洗浄術が多くなっております。また、脳血管疾患の中でも重篤である「くも膜下出血」の治療や、予防的治療として脳動脈瘤クリッピング術を行っております。急性期病棟で治療を受けた後、早期に在宅復帰出来るよう日常生活動作(ADL)の改善を目的としたリハビリテーションを集中的に行います。
 その他にも、脳腫瘍に対する頭蓋内腫瘍摘出術や、水頭症に対するシャント手術など様々な手術を行っております。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) - - - - -
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) - - - - -
K504-2 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術 - - - - -
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) - - - - -
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) - - - - -
手術症例では、胸腔鏡手術が大多数を占めています。低侵襲手術を目指し、創部の小ささのみではなく、早期の胸腔ドレーンの抜去、積極的なリハビリを行い疼痛の軽減、早期社会復帰をしていただくことを目指しております。早期肺癌に対する、縮小手術も行っております。気胸手術では再発がない外科治療を目指しております。(DPCコードから抽出した件数であり、実際の手術件数と異なります。)

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 72 1.99 5.92 0.00 33.99
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 61 0.52 6.02 0.00 33.38
K867 子宮頸部(腟部)切除術 14 1.00 1.14 0.00 41.64
K877 子宮全摘術 14 1.14 7.93 0.00 47.36
K9091イ 流産手術(妊娠11週までの場合)(手動真空吸引法によるもの) 12 0.00 0.25 0.00 34.17
・帝王切開術(選択切開)は、既往帝切後妊娠や既往子宮手術後妊娠、骨盤位、出血を伴わない前置胎盤等が適応である。
・帝王切開術(緊急切開)は、分娩停止や胎児胎盤機能不全、常位胎盤早期剥離等が適応である。
・流産手術は、稽留流産による手術が主体である。
・子宮頸部(腟部)切除術は、高度異形上皮や上皮内癌による手術が主体である。
・子宮全摘術は婦人科疾患(子宮筋腫や子宮腺筋症)による手術が主体である。
(*通常の妊娠分娩については、DPC対象外のため件数に含まれておりません。)
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 488 0.0 0.51 0.0 74.19
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 19 0.0 2.89 0.0 66.26
K274 前房、虹彩内異物除去術 - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
眼科では、白内障を中心に入院診療を実施しております。
白内障に対する水晶体再建術は、クリニカルパスに沿っての入院診療を実施しております。
水晶体再建術は、患者さんのご希望の応じて、片眼1泊2日または日帰り入院で行っております。
網膜前膜、黄斑円孔、糖尿病網膜症、硝子体出血などの網膜硝子体疾患に対する硝子体手術も実施しております。
網膜硝子体疾患に対する硝子体手術は、クリニカルパスに沿っての入院診療を実施しております。
入院期間は疾患や術後の状態によりますが、2泊3日~5泊6日程度の入院で行っております。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 23 1.00 2.78 0.00 62.39
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 21 0.95 7.05 0.00 32.19
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 16 0.88 4.63 0.00 34.25
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 12 1.00 1.58 0.00 64.92
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) - - - - -
月曜日と木曜日が手術日で、前日午後の入院となります。鼻科手術は、内視鏡下に行いナビゲーションシステムおよび副鼻腔手術用骨軟骨部組織切除器を使用し、安全第一に心がけております。全身麻酔ですので入院が必要ですが、同時に鼻中隔や下甲介の手術も行えます。扁桃周囲膿瘍切開術は局所麻酔で行いますが、その後抗生剤などの頻回な点滴治療が必要になるため入院加療をお勧めしています。耳科手術は今年度日本耳科学会耳科手術認可研修施設となり、耳科手術に特化した施設となりました。鼓室形成術は乳突削開術も同時に実施できます。術前の剃毛は人工内耳などの特殊な手術以外には行いません。また翌日から洗髪可能です。今年度から保険収載された低侵襲の経外耳道的内視鏡下鼓室形成術も対応しております。鼓室形成術の入院期間は3日から4日です。重症な顔面神経麻痺に対し顔面神経管開放術(減荷術)も発症1ヶ月以内の例で行っております。めまいを頻回に起こすメニエール病や、めまいを伴う突発性難聴に酷似している内耳窓破裂(外リンパ漏)などのめまいの手術も行っております。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 160 2.20 2.99 0.62 57.69
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 83 0.89 4.43 3.61 59.84
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 75 1.35 4.56 0.00 77.09
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 20 1.30 6.70 0.00 76.95
K8282 包茎手術(環状切除術) 10 0.60 1.40 0.00 54.80
当院は経尿道的手術に力を入れております。
診断群分類別患者数で述べたように、さらに上部尿路結石患者数が増えたことからR3年度はK7811経尿道的尿管結石除去術(レーザーによるもの)がR2年の136症例から157症例となっております。
上部尿路結石の患者さんで疼痛コントロール不良の患者さんには速やかに尿管ステント留置を行い除痛することからK783-2の経尿道ステント留置術も昨年68症例から83症例と増えてます。ただし、結石患者さんばかりではなく、他臓器悪性腫瘍による水腎症もこの件数の中には含まれております。
K8036イ膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)件数は昨年47症例から75症例と増え、平均年齢77.09歳と高くなっていますが、術後の平均在院日数が4.56と昨年の4.64日と大きく変わりありません。クリニカルパスの入院のためほぼ予定通りの退院となっております。
K8411経尿道的前立腺手術の件数は20症例で昨年度は15症例でした。今までαブロッカーでどうにか加療をおこなっていた患者さんも薬の限界となり、手術を受けられる方が多くなっております。 術後の平均日数は6.7日と昨年の10.13日より短くなっており、こちらもクリニカルパス通りのほぼ予定通りの退院となっております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 27 0.34
180010 敗血症 同一 16 0.20
異なる 32 0.40
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 12 0.15
異なる - -
入院契機とは、入院のきっかけとなった病名を指します。入院契機の病名と実際に最も医療資源を投入した病名は経過により異なることがあり、それぞれの件数と割合を「同一」と「異なる」に分けて集計しています。
・播種性血管内凝固症候群(DIC):感染症などにより起こる全身性の重篤な病態です。
・敗血症:感染症により起こる全身性炎症反応の重篤な病態です。
・手術・処置等の合併症:手術や処置後に一定の割合で発生してしまう病態で、術後膿瘍、縫合不全、術後創部感染症などが挙げられます。

【注】患者数が10未満の場合は「-」表記しています。
更新履歴
2022/09/30
令和3年度東京品川病院 病院指標公開